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2007年10月

江戸東京たてもの園

先日、小説家いしいしんじ氏のHP上での日記を書籍化した「いしいしんじのごはん日記」のなかでその存在を知って以来、ずっと訪れてみたいと思っていた、武蔵小金井の、小金井公園内にある「江戸東京たてもの園」に行ってきた。

「江戸東京たてもの園」は、「江戸東京博物館」の分館として建設されたもの。現地保存が不可能な文化的価値の高い、歴史的建造物が在りし日の姿のまま移築され、保存展示されている。

広大な敷地のなかに、現在27棟の建物が建造され、見学できるようになっている。

敷地の半分にあたる東ゾーンには、昔の銭湯や居酒屋、商家などが、復元建築され、内装も当時のままに整えられていて、まるで映画のセットのみたい。

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銭湯「子宝湯」(すごい名前だなあ・・・)の湯船の中に入ってパチリ。

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居酒屋「銭屋」の店内。

建てられたのは1856年(安政3年)だそうだけれど、震災・戦災を免れ、近年まで、居酒屋として台東区で営業していたようだ。

酒樽を再利用した椅子や、使い込まれて黒光りした木のカウンター、天井の梁に吊るされたランプ・・・・・・よい感じ!

こんなお店で呑んでみたいなあ。

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今では見られなくなってしまった、土管のある空き地。

怖くて上に立ち上がれない腰の引けた大人(私)と、お猿さんのように自在にくぐったり登ったり駆け回る子供たち。

ボランティアの方々の手ほどきを受けて子供たちは、めんこや、コマなど、絶滅寸前の遊びにも、夢中で興じていた。

「今時の子供は、テレビゲームばかりして・・・・・・」と大人はつい眉をひそめていってしまうけれど、こういった空き地のような遊び場や、遊ぶための時間を奪っているのも大人たちなんだよな・・・・・・。

テレビゲームなんかなくっても、楽しく夢中で遊ぶことのできる能力は、現代の子供のなかにも、ちゃんとあると思う。

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隣りあわせで建てられた、武井三省堂(文具店)と、花市生花店。

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花市生花店、タイル張りの棚や、鏡張りの壁。シンプルでモダンな店内。

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大正期から営業されていた小寺醤油店のレトロなレジスターと、ホーローのような素材でできた、味噌樽。ローマ字で記されたMISOという表記と、一樽一樽に添えられた大きな木ベラがなんだかかわいい。

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道に敷き詰められたレンガに、アルファベットの刻印。なんだろう??

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高橋是清邸の窓から見た外の様子。

一つ一つの建物を、愉しんで、じっくりと見て回ったから、時間が全然足りなくて、この日は、敷地の半分しか見ることができなかった。

この「たてもの園」は展示内容もユニークで興味深いし、緑豊かなロケーションも素敵。

いしい氏は、「たてもの園」について語った文章の最後を、こうしめている。

『とても半日では足りません。またお弁当持ってこようと思った。』

まったく同感。

イマジネーション力をお供にしてやってくれば、本当に丸一日遊ぶことができると思う。

また行ってみよう。

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水戸充電小旅行

先週末、会期終了ぎりぎりに駆け込みで、水戸芸術館で行われていた、クリエイターのひびのこづえさんの展覧会、『ひびの こづえ たしひきのあんばい』を観に行ってきた。

東京から水戸まで、ちょっとした小旅行。

まだ自分が服の勉強や仕事をすることになるとは思ってもいなかった若い頃から、私は、彼女の製作するコスチュームがとても好きだった。

その頃、「とらばーゆ」の表紙で、その時々の旬な芸能人が彼女の製作した衣装を纏っていた。まだ学生で、転職雑誌になんて用はなかったのだけれど、表紙だけは毎号楽しみで、本屋でチェックしていたものだ。

今、時間があると、ついついNHK教育テレビの夕方のプログラムに見入ってしまうのも、彼女の手がけた衣装を見たいからだ。

あたたかくて、ちょっとファニーで、だけれどモダンな、ひびのこづえの世界。

初めて訪れた水戸芸術館は、天を突くように聳え立つ、大胆なモニュメントが目印の、芸術複合施設。

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展示はその中の現代美術ギャラリーで行われていた。

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ハンカチに印刷されたハンカチポスター。ユニーク!

展示内容は、彼女の製作の原点であるコスチュームから、インテリアや食器、服飾雑貨などのプロダクトデザイン、全長9メートルの巨大ドレスのような現代アート作品など多岐に渡った。

「迎えの間」「居間」「風呂場+寝室」「納戸+台所+控えの間」など、ギャラリーを住居に見立てて区切った展示方法により、観客は、その幅広い製作内容を、自然に捉えることができる。

そして、驚いたことに、なんと、展示されているほとんどの作品を、実際に購入することができるのだ。

プロダクトデザインのものはもちろん、雑誌用に製作された一点もののコスチュームにいたるまで。

会場スタッフの方(みなさん、ひびのさんと、アウトドアブランドのTHE NORTH FACEのコラボレーションアイテムの、柔らかなベージュに、秋空のような薄いブルーのポイントカラーが映えた、ナイロンジャンパーと揃いのパンツのすてきなユニフォームを着用。こういった展覧会においては、スタッフの方たちの服装も、よい会場つくりの大切な要素の一つだ。)とお話したところ、海外ではこういったシステムはわりと取られているそうだけれど、日本の美術館展示ではやはり珍しいとのこと。

大きな展示物から、小さな展示物まで、一つ一つ、丹念に見て回った。

展示会名の「たしひきのあんばい」という言葉が、展示内容の全てを物語っていた。

研ぎ澄まされているのに、あたたかくて。遊び心に満ちているのに、機能的で。

彼女のなかで、意識的に、本能的に、おそらく絶えず繰り返されているのであろう「足し引き」。その「たしひき」によって、磨き上げられ、作り上げられた数々のものたち。

イタリア製の分厚いノートに描かれた原画たちの前では、足が動かなくなった。

丹念に色鉛筆で色が塗りこまれた原画。

ものを作るということへの、根源的なよろこびが、伝わってくるような、命のこもった線と色。

その画のまえで、なんだか、少し、泣きたくなった。

最近、ものを作るということが、なんだか苦しくて、思うように進まなくて、私は、じたばたしていた。

きっと転換期なのだろう、仕方のない時期、避けて通れない、一種の「必要なスランプ」なのだろうけれど、だけれど、それが自分で分かっているからといって、もやもやした気持ちや状態が晴れたり、軽くなったりするわけでもない。

なんだか、苦しいなあ、と思っていた。

でも、その画を見ていたら、わけのわからない元気が、お腹のそこからぱちぱちと湧き上がってきた。

ひびのさんの愛と才と技のつまった品々からエネルギーをもらって、ギャラリーショップで、彼女のデザインしたハンカチを、二枚自分でセレクトして製作してもらうオーダークッションの注文をする。出来上がるのが楽しみ!

ギャラリーの外に出たら、空は暮れかけていて、ひんやりした風が興奮して熱くなっていた頬に心地よかった。

モニュメントの前の芝生の広場では、結婚式が行われていました。

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水戸の農業学校で農業の勉強をしている大学時代の友人(大学卒業後、野菜や果物を扱う会社にずっと勤め、夢の就農を目指すべく、この春から寮生の農業学校に就学した頑張り屋さん)と合流し、水戸駅の近くで飲む。

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レトロモダンな内装がすてきな鉄板焼き屋さんで、おいしいものをいろいろと食べながら、久し振りに二人きりでゆっくりと話をした。

十年前から、こうやってことあるごとに二人で差し向かいになって飲んできたけれど、お互い、いろんな波をかいくぐってきて、そのつど価値観も変化してきたから、話の内容は十年前とはまるっきり様変わりしていて、でも、私も彼女も、性格の困った部分に限って変化していなかくて、彼女の話を聞きながら、「もうっ! 相変わらず不器用なんだから!」ってもどかしく思うのは十年前も今も同じで、だけれど、本当のことを言うと、そういう彼女の不器用なところが、そういうところこそが、私はすごく愛しかったりするのだ。

彼女は彼女で、私を見ながら、「全くみずえは、ほんとうにかわんないなあ」って苦笑いしているのだと思う。

駅で、ばいばーい、と手を振り合って、別れる。

胸の中に、新しい力や、あたたかい気持ちをたっぷりたくわえて、特急電車で東京に帰った。

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おまけ。

上野駅で迎えてくれた巨大パンダさん。

「困ったな~」風の仕草がかわいいです。

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ウェディングフォトセッション

大学時代、写真部に所属していた。

先日、その写真部の先輩が結婚をし、結婚パーティーに招いていただいた。

彼は、写真に自分らしく真摯なスタンスで向き合っている人で、学校を卒業して働いたり、その後留学したり、世界を旅してまわる中で、数え切れないくらいの写真を撮り続けてきた人。

そして、奥様となった柔和な笑顔を持つうつくしい女性も、働きながら写真を撮り、大きな評価を得ている人だった。

ブルーのミラーボールがきらきらとまわるパーティー会場の壁一面に、大きなスクリーンがしつらえられ、そこには、パーティー中、これから一緒に人生を歩むことになった二人が今までに世界中で撮ってきた写真達が、途切れることなく映し出され続けた。

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ゲームの商品のなかには、オリジナルのミニ写真集もあった。

新郎撮影バージョンと、新婦撮影バージョンが、二冊でワンセットになっているお手製のもの。

素敵です!

パーティー定番のスライドショーでも、お互いがお互いを撮影した、愛情あふれるすばらしい写真が多く挿入されていて、ほほえましく、新鮮だった。

帰り道・・・・・・将来、子供が生まれたりしたら、きっと、夫婦二人で競い合うようにして、写真を撮りまくるのだろうな・・・・・・そうして、やたらとグレードの高い、家族アルバムを作っていくのだろうなあ・・・・・とか考えて、一人、にやにやしてしまう。

写真部の友人たちとも会え(わりとちょくちょく集まっているから、久し振りではないのだけれど)、後輩夫婦の赤ちゃんにも初めて会え、あたたかい時間を過ごさせていただいた。

二人とも、お幸せに!

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プロのお仕事

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友人のスタイリストアシスタント、ヘアメイクアーティスト、カメラマンの子達が集まって(モデルをつとめてくれた子も友人)、Hongou's Factoryの洋服を使って、素敵な写真を撮ってくれた。

上の二枚は、今年の初夏に、室内で撮影されたもので、そのときは私は撮影に立ち会えなかった。

先月、撮影企画第二弾として、今度はロケ撮影が行われ、そのときには私も、ワンシーンだけ立ち会うことができた。

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高円寺の裏道で撮影中。

カメラをかまえるイズミちゃんと、モデルのアヤちゃんの、ネックレスのよじれを直す、スタイリスト事務所で働くユッキー。ヘアスタイルを整えるヘアメイクのヨッシー。

みんなすごいなあ、かっこいいなあ、と思いながら、私はただうしろのほうで突っ立っていました。

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そして、出来上がった写真。

こちらは紺のミニスカートがHongou's Factoryのもの。

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今年の夏物の白いワンピースもHongou's Factoryのもの。

ふんわりとした空気感の、すてきな写真に仕上げてもらって、とてもうれしい。

ほんの短い間だったけれど、撮影の様子を見させてもらい、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク・・・・・・どれも、強い直観力と瞬発力と判断力を必要とする仕事なのだなあ、と思った。『待ったなし、の世界』というか。迷ったり悩んだりしている暇なんてないなかで、最善を尽くし、最良を作る能力が必要なんだなあ、と感じ入る。

それは広い意味で言えば、デザインする上でも製作する上でも言えることなのだろうけれど、でも、私はデザインする上でわりと迷ったり考え込んだりするタイプだし、製作の過程で、デザインを変更することもある。

それはそれで、Hongou's Factoryの服作りには必要な紆余曲折であり、不可欠なまわり道なのだけれど、だけれど、そういったスローウォーカーの私の目には、鮮やかに決断を下し、てきぱきとすばやく各自の仕事をこなしていく彼女達の姿がまぶしく見えた。

自分にはない才能や能力を持った子達に触れると、単純に感動する。

そうして、「うらやましいなあ」とは思わず(たまに思うこともあるけれど)、「自分も、自分が持っている能力をもっとみがいて、育てよう!」という妙な元気が湧いてくる。

一人一人が違う能力を持ってるからこそ、その力をあつめて面白いことができるんだし。

次回の撮影が楽しみだ。

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