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先生、ありがとう

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先日、夫が初の海外出張である中国出張から帰ってくる途中で、ミニブーケを買って来てくれました。

結婚祝いに友人がくれたマリメッコのマグに挿してみたら・・・・・・早くも春を連れて来てくれたような色合い。

こういう日常の中のプレゼントはとてもうれしい。大切に感じたい優しさです。夫、ありがとう。

先日、大学時代の、同じ学部だった部活の後輩からのメールで、私の卒論ゼミの担当教授でもあった、恩師の訃報を知りました。

まだ、とても若かったはずなのに・・・・・・。

大学時代、勉強よりもずっとうんとお洒落に夢中で、遅刻も欠席も本当に多かった・・・・・・、典型的なダメ大学生だった私ですが、その先生の授業は、欠かすことなく出て、しっかりと話を聞いていました。

毎回、手書きのイラストなども添えられた手製の教材プリントを作ってきてくれて・・・・・・。文学だけでなく、ご自身の体験や、映画など他の文化などもからめて広い視野で語られる、深い作家論・・・・・・。汗っかきで、夏場はきっちりたたまれたハンカチでしきりにお顔をぬぐいながら、それでもそんなときでも常に情熱を持って、私たちに語り続けてくれていました。

その授業の質と、そしてえもいわれぬ大らかでほっこりした素敵なお人柄で、他学年の生徒からもとても人気のある先生でしたが、私たちクラスのみんなも、先生をとても慕っていました。

授業以外の時間でも、先生の周りには、生徒がよく集まっていました。

そういう先生だったのです。

授業以外に先生が語ってくれたことで、忘れられないことがあります。

クラスの人間何人かで先生を囲んでおしゃべりしていたときのこと。

私たちが、「先生の授業はとっても面白いから大好きだけれど、〇〇先生や△△先生の授業は面白くなさ過ぎて、聞きたくてもちゃんと聞く気になれない」などと、他の先生方についての愚痴めいたことを言っていたときに(今思うと、なんと不遜なことを言っていたのでしょう・・・!!)、先生が、穏やかに語ってくれたこと。

それは要約すると、このような話・・・・・・

大学の教授と言うのは、小学校や中学校の教師と違い、「教えることのプロ」というよりは、どちらかというと「学問のプロ」である。

「教える技術の向上のための努力」と、「自分の学問をより深め、進化させるための努力」は両立が難しく、だから、「教える技術」が欠けているように見える先生ほど、実は、時間を学問の探求に費やしている可能性があり、持っている「学問の質」は素晴らしいかもしれない。

だから、「この先生の授業はつまらないな」と思う先生がいたら、一度、その先生の書いた論文を読んでみるといい。

そうしてみたら、論文がとても素晴らしく、今度は自分のほうからその先生に教えを乞いたくなるなるかもしれないよ・・・・・・。

その言葉を聞いたとき、「学問」に対する、そして「人間」に対する先生の愛情深い眼差しを感じて、私はとても感動しました。

そして、そのとき先生が話してくれたそのことは、私の世界を、ぐんと広くして来てくれました。

「この人はつまらない人だな」「この物事はだめだな」・・・・・・そう思って心を閉ざすのはいとも簡単なこと。

でも、私ごときの眼力で見抜ける、人や物事の価値なんて、ほんの一部に違いないのです。

ちょっと角度を変えて、光を当てて見てみたら、ものすごく輝いているものが、私が嫌った色の影にあるのかもしれない!

そう思って、幾度も光を当てて覗き込んでみては、幾度も愛おしむべきものを発見してきました。そのことが、私の人生をどれだけ豊かにして来てくれたことか。

先生があのとき、さらりと語ってくれたことは、私にとっては一生ものの教え・・・・・・。そして、きっと彼は、その教師生涯の中で、私だけじゃない、数え切れない数の生徒達それぞれの心の中に、それぞれの形の忘れえぬ教えを遺していると思うのです。

自分にできる追悼があるとしたなら、先生の授業やお話から感じて得たことを、もう一度再確認して、大切にしていくことだと思う。

心より、ご冥福をお祈りします。

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コメント

写真にひかれて・・・

そして、ブログにすいこまれました。

私にも、生涯忘れられない方がいます。
「出逢った人に、少しでもいい影響を与えられる人になりなさい・・。」 恩師の言葉を思い出しました。

本当に素晴らしい方だったんですね。

なんとも言い表せない、優しい気持ちになりました。
ありがとうございました。

投稿: まめ | 2011年1月18日 (火) 20時19分

まめさん、コメントありがとうございます。

「出逢った人に少しでもいい影響を与えられる」ように生きようとしたら・・・いろいろなことがうまくいかないときですら、優しい気持ちでいられそう。
私もこれからその言葉を大事にさせていただきたいと思います。

思えば、優しさだとか、教えだとか、もらってばかりの人生でした・・・これからは、誰かからもらった優しさを、他の誰かに少しづつでも返していける生き方がしたいです。

投稿: くぼみずえ | 2011年1月22日 (土) 00時09分

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