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最後の納品

今週の頭に、京都の「OVAL」様に、2011SSコレクションの最後の納品をしました。

イギリスの名作ドラマ、「名探偵ポアロ」シリーズの、クラシカルで華麗な世界観をベースに、そのなかでも、ポアロがエジプト、ギリシャといった地中海でのバカンス先で事件に出会う作品群をフーチャリングし、『淑女達の地中海旅行』をテーマに創ってきた今回のコレクション。

最後の二着は、多くの遺跡眠るエジプトの砂漠の朝の美しさをイメージしたサンドカラーの繊細なグラデーションが魅力の、スカートとワンピース・・・・・・。

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ドット柄のジャガードリネンと、ラメ糸での繊細な刺繍が美しいコットンオーガンジーをコンビにした、クチュール感いっぱいのタックスカート。

写真では解りづらいけれど、実際はオーガンジーの下のリネンのドット柄が薄く透けて見えて・・・・・・ニュアンスたっぷり。

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腰骨の辺りにくる切り替え部分には、リネンレースと、コットンレースを重ねてあしらっています。右サイドにはお花モチーフがちょこん・・・・・・可憐なアクセント。

とてもロマンティックで特徴的な素材使いだけれど、なじみよいベージュカラーで、シルエットも広がりすぎないシンプルなタックフレアーなので、様々なスタイルに合わせられます。

ベッコウの眼鏡に、白シャツ、パールのネックレス、足元はソックスにこの秋流行のメンズライクなエナメルシューズで、優等生ルック・・・・・・。

ふわふわモヘアのショート丈ニットに、レオパード柄のティペットやグローブ、ビーズバッグや、スウェードパンプスを合わせて、リッチに・・・・・・。

シフォンのボウタイブラウスに金ボタンつきのカシミアカーディガン、タイツにストラップシューズをはいて、トラッドスタイル・・・・・・。

この秋冬注目のスタイリングにも好相性!

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そして、ゆったりとしたカフタンシルエットのシルクリネンワンピース。

とろみ感のあるシルクリネンが綺麗な落ち感を作り、シンプルだけれど女性らしいシルエットです。

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袖口と裾サイドには優しいカーブを描いたラウンドスリットが・・・・・・。

着ると、手首やふくらはぎを細く、女性らしく華奢に見せてくれます。

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バッグスタイルのディティール。首の後ろに、控えめで可愛らしい小さなあき。・・・・・・胸上で繊細なシルバーのラメ糸とフラワーモチーフが可憐なコットンレース地と切り替えに。

サテンフリルとリネンのフリンジブレード、純白のフラワーモチーフレースを重ねてアクセントに・・・・・・。

とても優しいイメージで・・・・・・派手ではないけれど、しっかりと華やかな、私好みのドレスに仕上がりました。

デニムや、ニットレースの暖かなタイツとショートブーツなどを合わせて、街へお出かけするときのおしゃれ着にしていただくのもよし、きゃしゃで上質な小物と合わせればパーティーシーンにもしっかり対応できます。

私なら・・・・・・アンティークの小さなピアス一つだけつけて、さらりと着たいな・・・・・・。

こちらの二着、どちらも店頭に並べていただいたその日に、 お嫁に行かせていただけたとのこと・・・・・・。どうか、手にしてくださった方に、様々なシーンで楽しんでいただけますように・・・・・・。

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今回の納品は、春夏コレクションの最後の納品であると同時に、OVAL様へのHongou's Factory、産前最後の納品となりました。

今期のコレクション立ち上げ当初に発覚した妊娠、そして間をあけずにおきた大震災・・・・・・洋服を作る気力が奪われた時期もありました。

そこから半年・・・・・・たくさんのことを考え・・・・・・様々な祈りを込めて作ってきた一着一着。

お腹におチビを抱えながらの製作活動は、思ってもみなかったほど幸福で、でも、時に過酷で・・・・・・(つわりで集中力が落ちていつもの二倍ほど作業に時間がかかったり、ミシンの置いてある部屋に冷房がないため、灼熱地獄の中で作業にいそしむことになったり、お腹がふくらんでくるにつれて、床の上での製図や裁断作業が難しくなってきたり・・・・・・)。

半年間の出来事だとは思えないほど、製作にまつわる思い出がたくさん・・・・・・。

この半年の製作の中で、私は、私にとって、服を作る、ということが、どれほど大切なことなのか、はじめて本当に感じることができたように思います。

今まで、つくることに疲れて足がとまってしまうことは何度もありました。そのたびに、家族や、友人や、お客様や、お取引先の方々の、何気ない一言や、励ましに支えられて、また歩き出すことができました。

そういう歴史も含めて、服を作るということは、本当に自分にとってかけがえのないことで、私が私でいるために必要なことなんだと、今、とても強く思います。

だから・・・・・・、いつになるか、どういう形でかは今はまだ全く見えないけれど、おチビとの生活のなかでも製作できる道を模索して、洋服作りを再スタートさせたい!絶対にさせる!

そのためにだったら、おチビさんのお世話はもちろんのこと、家事のマネージメントや、自分の体力作りなど、日常の全てのことを、今よりずっと、楽しんで頑張れそうな気がしています。

この半年間、家事のサポート、私のメンタルのサポートを全力でしてきてくれた夫と、私が時に製作に夢中になってむちゃをするなかでも、いつもお腹んなかで元気一杯でいてくれたおチビに、改めて大感謝・・・・・・。

妊娠発覚後、「もしか身体になにかあったときには、製作途中でもお仕事をお断りしなくてはいけなくなるので、今回の衣装製作は別の方に依頼して頂いたほうがいいかもしれません・・・」と、一度はお引き受けした衣装のオーダー製作をお断りしようと思った際に、「大丈夫です!みずえさんにお願いしたいです」と、製作を任せてくださったベリーダンサーのジリさんの言葉も、とてもうれしかった。「製作を再開されたら、またみずえさんに衣装をお願いしたいです」と言ってくれた言葉は、これから先の私の心を支えてくれるであろう大切な言葉です。

そして、OVALの店長の武内様・・・・・・。今期はとりわけ、体調不良で納期が遅れることも多く、ご迷惑をいっぱいおかけしてしまったのですが・・・・・・お会いしたことが一度しかなくても、東京と京都と、距離が離れていても、ご連絡でいただくメールなどからいつも、Hongou’s Factoryの服を大切に扱っていただけていることを感じることができました。

憧れの街、京都に服を置いていただけるだけでもとてもとてもうれしかった・・・・・それが、武内様にきめ細やかにお客様対応をして頂いたおかげで、Hongou’s Factoryの服の入荷を心待ちにしてくださるお客様も、京都の街にできました。望外の幸せ!武内様から教えていただくお客様の声は、なによりの製作の励みになりました。

他にも、いつも応援してくれている両親や、古くから見守ってくださっているお客様、刺激を与えてくれる友人達の存在・・・・・・いろいろ振り返っていると、感謝するべきことの多さに、くらくらしてきます。

幸せな目眩です。

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Hongou’s Factoryとしての活動は、これでしばらくお休みすることになりますが・・・・・・

日々の中での小さなものづくりは、続けていきます。

作ることは生きること。

おチビにも、いつも何かを作りながらわくわくしている私を見ていて欲しい。

おチビが出てくるまでに、ガラガラやにぎにぎのようなおもちゃや、おくるみなどをチマチマ作ろうと、今は素材集め中・・・・・・。

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